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太陽光発電のスクリュー杭載荷試験

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スクリュー杭の載荷試験

経済産業省の「令和4年度小出力発電設備等保安力向上総合支援事業(小出力発電設備の保安人育成等事業)」において、今まで出力500kW以上に適用されていた「使用前自己確認」が10kW以上の事業用電気工作物においても適用されることになりました。

そのうちスクリュー杭基礎の使用前自己確認(杭の載荷試験)の要点としては、「押込方向、引抜方向、水平方向の応力に対して抵抗力があること」で、「適切な試験方法の載荷試験によって、杭基礎の抵抗力を確認する」という内容です。

使用前自己確認制度―杭の載荷試験の義務化

2012年より全量買取制度が導入されて、売電単価が上がったことと売電期間が20年間になったことで、多くの企業・投資家による太陽光発電施設への投資が増加。遊休地や雑種地に多くの太陽光発電所が設置されるようになり発電施設が急増しました。

そして、利回りを少しでも良くするために、一部の事業者による風圧や加重に耐えられない架台の使用や杜撰な造成工事によるコストカットが横行しました。

台風被害

その結果、突風による架台の損壊やパネルの飛散、大雨による土砂崩れや積雪による発電所の倒壊など、施工不良を原因とした重大事故・被害が多発しました。とりわけ近年では、台風やゲリラ豪雨など今までに経験したことのない気象災害が増えたのも大きな要因だと考えられます。

これらの被害からは、発電設備が技術基準に適合しているかを設置者が確認・把握していない場合が見受けられていました。

積雪被害

固定買取価格制度がはじまった2012年の設計基準はドイツの基準を参考にしていたため、地域によっては日本の自然環境に適応した強度が保たれていないまま設置されたケースが多く、積雪倒壊や地盤沈下、台風での倒壊などが多発しました。

実際に事業中の発電所が、積雪の重みにより倒壊してしまったので困っている、というご相談も多くいただいております。

経済産業省は、安全性確保に向けて対策を見直し、「使用前自主検査及び使用前自己確認の方法の解釈」の一部を改正。太陽光発電設備の導入にあたり、技術基準への適合について設置者が確認を行い、その結果を国に届け出る「自己確認制度」を導入2016年11月30日に施行しました。

それまでは出力2,000kW以上の特別高圧の発電施設を対象に、各工事や資材の点検・検査が義務付けられていましたが、2016年の改正により出力500kw以上2,000kw未満の太陽光発電施設でも各工事や資材の点検・試験(検査)が義務付けられました

そして、この4月より出力10kW以上の事業用電気工作物においても使用前自己確認の義務付けが適用されます。

 杭基礎の使用前自己確認のポイント

  • 令和5年4月より、出力10kW以上の事業用電気工作物において、「使用前自己確認」の義務付けが適用されます。
  • スクリュー杭基礎の使用前自己確認(杭の載荷試験)の要点は、
    「押込方向、引抜方向、水平方向の応力に対して抵抗力があること」で、
    「適切な試験方法の載荷試験によって、杭基礎の抵抗力を確認する」こと。

※ここで述べられている杭の載荷試験が、試験より簡易的な検査(試験より急速的に荷重をかけるものでコストダウンできる)でも良いのかどうかを経済産業省に確認しておりますが、明確な回答は頂けておりません。書類を提出される自治体に確認が必要となります。

杭の載荷試験の方法

押込み試験

押込み試験は、杭が押込方向の応力に対して抵抗力があることを確認する載荷試験で、「杭に作用する押込方向(鉛直下向き)の長期および短期の応力が、杭の長期および短期の許容支持力を超えないことを確認する」試験です。

押込試験イメージ

まずスクリュー杭を打設します。引抜き試験と同様の試験機材を用いて、杭基礎をジャッキを使って段階的に押込みます。必要とされる極限押込み支持力まで荷重をかけていき、段階ごとに杭の変位量を確認していきます。

押込試験イメージ

引抜き試験

引抜き試験は、杭が引抜方向の応力に対して抵抗力があることを確認する載荷試験で、「杭に作用する引抜方向(鉛直上向き)の短期応力が、杭の短期許容引抜抵抗力を超えないことを確認する」試験です。

バックホーでの引抜き試験

まずスクリュー杭を打設します。杭に計測器や反力装置、ジャッキなどを取り付け、バックホウに接続して杭基礎をジャッキを使って段階的に鉛直方向に引き抜きます。必要とされる極限引抜き支持力まで荷重をかけていき、段階ごとの杭の変位量を確認していきます。

引抜き試験イメージ

水平試験

水平試験とは、杭が水平方向の応力に対して抵抗力があることを確認する載荷試験で、「杭に作用する水平方向の短期応力が、水平地盤反力係数を用いて算出される設計用限界水平抵抗力を超えないことを確認する」試験です。

水平試験イメージ

まずスクリュー杭を打設します。引抜き試験と同様の試験機材を用いて、杭基礎をジャッキを使って段階的に水平方向に押込みます。必要とされる極限水平支持力まで荷重をかけていき、段階ごとに杭の変位量を確認していきます。

水平試験イメージ

太陽光発電事業は、20年間順調に発電して、初めて収益が得られるものです。 リスク・トラブル回避のために、上記の強度検査の実施をお勧めしています。どのような土地であるのか、どのような方法で試験を行うか、また、他の試験方法を行うかなど、情報とご相談を頂ければ、安心して頂くためのご提案もさせていただきます。お気軽にご相談ください

杭の簡易強度検査を活用して、最適な杭選定を

当社では、最適な杭選定を行なって頂くために、簡易な杭検査で杭を選定することもご提案させて頂いております。

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